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皆さんこんにちは!
サカエ鋼業株式会社、更新担当の中西です。
本日は第12回鉄筋組立工事雑学講座!
さて今回は
~育成~
ということで、今回は、鉄筋工事における人材育成の課題と実践事例、これからの方向性について、現場の声を交えて深く解説していきます♪
こんにちは。私たちは、住宅やビル、公共施設、土木構造物などの現場で、鉄筋工事を専門に行っている施工業者です。
建設業界が今直面している最大の課題それは「人手不足と技術継承」。
中でも、鉄筋工事のような構造の根幹を支える仕事は、高い専門性と体力・安全意識・図面理解力を求められる職種のため、若手の参入が極端に少なくなっています。
鉄筋技能士1級・2級を持つ職人の多くが50代後半以上
「ベテラン頼み」の構造が続いており、次世代の担い手が不足
厚生労働省の調査では、鉄筋業界の新規入職者は10年前の半数以下とも言われています。
「体力的にきつい」
「危険が多い」
「給与体系が不透明」
「成長が見えない」
「一人前になる前に辞めてしまう」――それが多くの企業の悩みです。
技能実習生・特定技能人材の導入は進んでいるが、
言語・文化・技術の壁があり、定着率に課題
技能実習から特定技能への移行支援、教育体制の整備が求められています。
従来の「背中を見て覚える」スタイルでは、若手の不安は解消できません。
写真付き・動画付きの配筋マニュアル
図面の読み方/結束の方法/スペーサーの使い方 など
技能レベルを段階評価する「社内資格制度」の導入
「何ができれば一人前か」が明確になることで、目標設定とやる気が変わります。
技能を持った職人が「教えるのが得意」とは限りません。
OJT(現場教育)を担うリーダークラスへの指導法研修
怒鳴らず・見守り・褒める“育てる文化”の醸成
チームでの教育ローテーション制度
「育てる職人を育てる」ことが、長期的な組織力強化に繋がります。
固定給・昇給制度・家族手当など給与の安定化
資格取得支援(技能講習・学科対策)
安全研修や労災補償の整備
独立支援・職長研修などキャリアパスの明示
「ここで働き続けたい」と思える安心感と成長の道筋が、人を育てる土台です。
ある中堅鉄筋業者では、以下を導入
作業の達成度を毎月評価
スキルアップごとに5000円ずつ昇給
年2回の面談でフィードバック
結果:若手社員の1年後定着率が65% → 88%に向上
図面の読み方や配筋方法を母国語字幕付きで解説
スマートフォンでいつでも視聴可能
現場の実習生からの「分かりやすい」と好評
外国人材にも教育の見える化が有効です。
項目 | 変革の方向性 |
---|---|
技術 | IT活用(デジタル図面・施工管理アプリ)で若手も入りやすく |
教育 | 属人的ではない仕組み化・見える化を強化 |
組織 | 年齢・国籍・経験を超えた多様な人材チームの構築へ |
鉄筋工事は建物の「骨」をつくる仕事。
そしてそれを支えているのは、一人ひとりの職人たちの技術と誇りです。
見えないところを正確に
危険を未然に防ぎ
後工程にバトンをつなぐ
そのすべてを支えるのが、「人を育てるという文化」です。
育成はコストではなく投資。
未来をつくるために、今こそ“人材育成”に力を入れていきましょう。
サカエ鋼業株式会社では、一緒に働いてくださる仲間を募集中です!
私たちが採用において最も大切にしているのは、「人柄」です。
ぜひ求人情報ページをご覧ください。皆さまのご応募を心よりお待ちしております!
皆さんこんにちは!
サカエ鋼業株式会社、更新担当の中西です。
本日は第11回鉄筋組立工事雑学講座!
さて今回は
~設計から組み立て~
ということで、今回は、そんな鉄筋工事の「設計から組み立てまで」の流れを、実務経験に基づいた視点で深く解説いたします。
鉄筋工事は、建物の“骨格”をつくる極めて重要な工事です。見えない部分であるがゆえに、設計精度・施工精度のどちらも高いレベルが要求されます。
鉄筋はコンクリート構造物の「引張力」を担う素材です。
コンクリート:圧縮には強いが、引張には弱い
鉄筋:引張には強いが、圧縮には弱い
この両者の欠点を補い合い、強靭な構造を実現するのが「鉄筋コンクリート構造(RC構造)」です。
鉄筋の配置や本数が適切でなければ、構造物の安全性に直結する重大な問題となります。
まず最初に、建築士や構造設計士によって作成された**構造図・鉄筋詳細図(配筋図)**を確認します。
梁・柱・スラブ・基礎ごとの配筋本数・間隔・継手位置などをチェック
断面寸法・かぶり厚(鉄筋からコンクリート外面までの距離)
フック(曲げ)・アンカーボルトとの取り合いなど
図面の読み違いは、施工ミス・品質低下・是正工事の原因になるため、入念な確認が必要です。
施工図に基づいて、鉄筋を加工・運搬するための「加工帳(鉄筋リスト)」を作成します。
鉄筋径(D10〜D32など)と長さ
フックの形状(L型、U型、135度、90度など)
定着長さ・継手長さなどを含めた加工形状
ミリ単位の精度が求められるこの工程が、全体の品質を左右します。
加工帳をもとに、鉄筋を切断・曲げ加工します。
専用の鉄筋ベンダーやカッターを使用
加工精度は「±10mm以内」が原則(JASS 5など建築基準に準拠)
番線などでまとめ、タグ付けして搬入準備
最近ではプレファブ化(工場加工)が進み、現場での加工を最小限に抑える傾向があります。
現場へ鉄筋を搬入し、施工階・作業エリアごとに分別配置します。
搬入計画(トラック・クレーンの段取り)
鉄筋の保管方法(雨除け・腐食防止)
各フロアへの仮置き・運搬経路確保
鉄筋は重くて長いため、通行人や他工種との干渉に十分注意が必要です。
ここからが本番。設計図に基づいて鉄筋を正確な位置に、決められた方法で組み立てていきます。
鉄筋の配置(主筋・あばら筋・スターラップ)
結束線(番線)による手結び or 結束機使用
重ね継手の長さ確保(SD295、SD345など材質に応じて変化)
かぶり厚の確保(スペーサーブロックを活用)
配筋完了後には、配筋検査(自主検査・設計監理者の検査)が行われます。
設計者・監理者による「配筋検査」
寸法・継手長さ・本数・間隔・かぶり厚のチェック
是正が必要な場合は指示に従い補修・報告書提出
最近は写真付きの電子記録(配筋管理アプリ)の導入も進んでいます。
鉄筋検査が終わったら、次工程の型枠・コンクリート打設に移ります。
ここで大切なのが
鉄筋が動かないように型枠・バイブレーターによる慎重な作業
打設中にかぶり厚が変わらないようスペーサーを固定
一度コンクリートを流し込めば、鉄筋は見えなくなる。
だからこそ、施工前と施工中の「確認と記録」が非常に重要です。
読み間違いひとつで大きな手戻りや構造欠陥に
教育・研修で図面の読み方を学ぶ機会が必須
熟練の職人ほど、「結束の早さ」「精度の高さ」が違う
経験と段取りの積み重ねが、現場の信頼を生む
他工種との工程調整
クレーン・荷揚げ班・型枠班との連携
重量物取り扱いのため、常に危険と隣り合わせ
「一人ひとりの責任感」が、構造物全体の安全につながります。
鉄筋工事は、建物の根幹をつくる誇りある仕事です。
コンクリートに隠れてしまうけれど、その中には職人たちの知恵と技術、そして責任が詰まっています。
設計の精度
加工の正確さ
組立の丁寧さ
チームワークの強さ
これらがそろって初めて、「人の命を守る建物」が完成するのです。
サカエ鋼業株式会社では、一緒に働いてくださる仲間を募集中です!
私たちが採用において最も大切にしているのは、「人柄」です。
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